ランチ後に眠くなるのはなぜ?眠気の正体とは?

ランチ後に眠くなるのはなぜ?眠気の正体とは?

ランチ後に襲ってくる急激な眠気・・・。昨晩しっかり寝たはずなのに…午後は大切な会議があるのに…眠気と闘いながら仕事をするのは辛いですよね。今回は、ランチ後の眠気の正体を明かして、ナ向けを軽減させる対応策まで解説します。

ランチ後に来る眠気の仕組み

ランチ後に急激に来る猛烈な眠気…
多くの方が経験があるのではないでしょうか。
午後にやろうと思っていた仕事がはかどらなかったり、
大事な打ち合わせ中にもまぶたが重くて辛くなる…
何とかしたい眠気ですよね。

そもそも、なぜランチ後のあの眠気は来るのかご存知ですか?

その鍵の一つは、血糖値です。
血中にある糖質のことを「血糖値」といいますが、
この血糖値が急上昇したり急降下したり乱れていると、
だるさや眠気につながることがあります。
特に、普段から菓子パンやパスタ、白米、
また甘いお菓子やジュースなどを飲みがちで、
糖質を多くとっている方は、
ランチに糖質の高い食事をすることで、血液の血糖値が急上昇し、
その上昇を妨げるために体内から「インスリン」という
ホルモンが過剰に分泌され、血中の血糖値が急降下
してしまうのです。

血糖値が急降下し、一時的な低血糖になると、
糖質をうまくエネルギーにできず、眠気が襲ってきます。

2つ目に、食事をすると、体内でオレキシンという覚醒をさせる
ホルモンの分泌量が少なくなる
ことがわかっています。
糖質をとったかどうかに関わらず、食事をすると体はオレキシンが少なくなり、
カラダを休息モードにする仕組みがあるのです。

そして3つ目は、人間の体内リズムです。
人間のカラダは、ちょど14時~16時頃のランチ後のタイミングで、
活性が落ち、眠くなる
ようにできています。
これは食事をしても抜いても変わらず、毎日一定のリズムで来るものです。

このいわば”眠気のトリプルパンチ”によって、
ランチ後の眠気が引き起こされていたのです。
さらにこれに普段からの睡眠不足などが重なると、
あの強烈な眠気につながってしまうのです。

ランチ後の眠気対策は?

眠気の仕組みさえ分かっていれば、
眠気がこないように工夫することができます。

第一に、血糖値の急上昇、急降下をしないようにするのが重要です。
これは、ランチ後の眠気だけではなく、普段からだるさがあったり、
朝起きれないなどの不調がある人にも効くかもしれません。

まずは、普段からの食事の糖質量をチェックしてみてください。
普段から食事メニューが麺類やパン、ご飯(丼もの)のみに
なってしまいがちな人、あるいは、甘いジュースやラテを飲んだり、
間食にスナック菓子やスイーツなどを食べがちな人は、
普段から糖質量が多くなりがちです。

糖質量が多すぎる食事を続けていると、血糖値が食事によって急上昇し、
その結果、急降下しやすく、眠気やだるさにつながってしまいます。

血糖値の急上昇には糖質の摂りすぎが関係しているので、
まずは糖質の少ない食事をすることを心がけましょう
ファストフードや丼もの、パスタランチではく、
定食やサラダランチにするのが糖質を控えるポイントです。

2つ目に、できるだけ体内の血糖値が緩やかに上がるような食事内容、
食事の順番を考えていくのが大切
です。
糖質から摂るのではなく、
サラダ(副菜)→汁物→おかず(肉や魚)→ごはんやパン
の順で
食べ始めることを意識してみてください。

よく噛むことで満腹中枢がはたらき、急激なインシュリン分泌を防ぐ
効果があり、たんぱく質、脂質からとることで、血糖値を緩やかに
上昇させていくポイントだといわれています。

最近は、ヘルシー志向で、白米でなく雑穀や玄米飯を提供してくれたり、
パンや麺類にも全粒粉を使用したお店も増えたので、
上手にランチを選ぶと良いですね。

3つ目に、ヘビーランチにしないというのもポイントです。
動物も、餌が少ない時は積極的に狩りに行くように、人間は、
お腹が減っているときはオレキシンが増えて眠くなりにくい性質を持っています。
お腹が減って夜眠れないという経験がある方も多いのではないでしょうか?

ランチもお腹いっぱい食べてしまわずに、軽く済ませておくこと
ランチ後の眠気防止に役立ちます。

ランチ後の眠気がきてしまったら…

眠気の原因でもある「体内リズム」は、どうしようもないカラダのリズムです。
なので、もしこの眠気がきてしまったら、思い切って15分程度の仮眠を
とってしまうのがおすすめです

15分程度の仮眠は、その後のパフォーマンスを上げる
ということがわかっています。
特に、普段から睡眠不足がちの人は
この短い仮眠によって睡眠不足も解消され、
すっきりしてその後の仕事に取り組むことができます。

この時注意が必要なのは、「仮眠を15分程度にしておく」ということです。
睡眠にはレベルがあり、あまり深い睡眠に落ちてしまうと
その後起きるのが辛かったり、寝ぼけた状態になってしまうため、
逆にパフォーマンスを下げてしまいます。

寝っ転がって寝てしまうと、全身の筋肉が緩んで深い睡眠に
落ちやすくなってしまうので、
座ったまま静かに目を閉じたり、
机につっぷした状態で仮眠をとるのがおすすめです。

普段の睡眠も大切

ランチの食事内容や昼寝に関わらず、
普段から慢性的な睡眠不足が続いていると、
体内リズムで眠気が襲ってくる14時~16時にどうしても我慢できない
眠気に襲われてしまうことにつながりやすいといわれています。

必要な睡眠時間は人によって違うといわれていますが、
平均的には7時間程度が理想といわれています。
日本は世界からみても睡眠時間が圧倒的に短い国だといわれています。

普段から質の良い睡眠を、しっかりと6.5時間~8時間とっていくことが、
眠気予防に効果的
です。

ダイエットにも効果的

眠気防止の糖質制限ですが、これはダイエットにも効果的だといわれています
糖質の慢性的な摂りすぎによって、血糖値が急上昇し、
インシュリンの働きで急降下するという体質になってしまうと、
血中に糖質を貯めておけないため、
カラダから糖質不足=エネルギー不足のサインが出てしまい、
お腹が減ったと錯覚してしまいます。
これは、ダイエットにとっても良くありません。

また、糖質以外の栄養が摂れないと、お腹がいっぱいだという
感覚も作りにくくなってしまいます。
満腹だと認識するには、たんぱく質と脂質をしっかりと摂ると、
満腹感が持てるようになります。

普段からバランスよい食事を心がけるようにしましょう!


【監修】豊原悠里

管理栄養士/予防医学指導士
大手化粧品会社にてインナービューティーのカウンセリング、トレーナーを経て、精神科クリニックで管理栄養士・代替医療カウンセラーに従事。発達の問題やメンタルケアを中心に予防医学、栄養療法のコラムやセミナー、執筆サポートをてがける。

Bicle(ビクル)では、

  • 医師
  • 管理栄養士
  • 薬学修士
  • スポーツ栄養学の修士
  • 機能性食品や健康美容商品の企画開発・研究者

などの専門性を有するメンバーによって商品の企画・開発、記事の執筆等を行っています。