美容のためのアルコールとの付き合い方

美容のためのアルコールとの付き合い方

友達やパートナーとの楽しい時間として、お仕事でのお付き合いのコミュニケーションとして、あるいは、息抜きの一人晩酌でも、お酒はおいしく愉しみたいですよね。
一方で、お酒を飲むと太りやすくなったり、肌荒れしてしまったり、翌日の体調が気になってしまう人も多いのではないでしょうか?
飲む量や飲み方、飲む種類をひと工夫して、美容に悪影響のない、むしろ美容に役立つお酒の飲み方をご紹介します。

お酒はカラダにいいの?悪いの?

お酒はもちろん飲みすぎはカラダに良くありませんが、
適正量を飲む分には、お酒を飲んでいる人のほうが長生きするという
説もあります。

適正量は、男性はアルコール量20g、女性は10g~15gが適切だと
いわれています。

アルコール量20gというのは、下記の量です。

ビール中ビン1本
日本酒1合
焼酎(20度)1合弱
ウィスキーダブル1杯
ワインはグラス2~5杯

人によっても、その日の体調によっても飲める量は違うので、
ご自身の体調と相談しながら飲みましょう。

また、量が適正なこともさることながら、
週に2日の休肝日を作ることも健康上いいことがわかっています。

お酒を飲んだ次の日は肌荒れ…対策は?

お酒を飲んだ日の次の日は肌荒れをしてしまうという人も多い
のではないでしょうか?

なぜ肌荒れしてしまうかというと、
お酒にはカラダの水分を脱水させて、肌を乾燥させる性質があります
お肌の乾燥は、シワやくすみの原因になってしまいますよね。

お酒を飲むときは、水分も一緒に飲むように心がけられるといいですね。
お酒と同じ量のお水を、チェイサー(追水)として少しずつ
飲むと良いといわれています。

とはいえ、飲んでいる途中はお水をなかなか頼みにくかったり、
飲むのを忘れてしまうこともあるかと思います。
そういう時は、お酒を飲んだ後に、
お水をしっかり飲んでから寝るようにしましょう
このとき、ジュースやインスタントスープではなく、
ミネラルウォーターがベストです。

日頃からお水を2L以上飲む習慣のある人は、そうでない人よりも
二日酔いになりにくいというデータもありますので、
普段からお水を飲む習慣を心がけておくと良いですね。

また、アルコールは体内で活性酸素と呼ばれる老化物質を作り出します。
それを除去するために、体内でビタミンB3抗酸化ビタミン
ビタミンAビタミンCビタミンE)、亜鉛が使われてしまいます。
ビタミンや亜鉛は健康で美しい肌を作るために重要な成分です。

活性酸素は老化物質ですので、除去できないとシワやシミ、
たるみなど、お肌の老化につながってしまいます。
お酒を飲む前後に、ビタミンやミネラルをサプリメントで補ったり、
新鮮な野菜やフルーツ、赤身肉や赤身魚、貝類など
抗酸化ビタミンやミネラルが豊富に含まれているものを
メニューで選ぶなど工夫するようにしましょう。

お酒の中でもビールや日本酒、カクテルは糖分が多く含まれています。
糖分を食べ物だけではなく飲み物からも摂ってしまうと、
糖分の摂りすぎになってしまいます。
糖分の摂りすぎは、体の細胞を「糖化」させ、
シミやくすみ、たるみの原因にもなってしまいます

糖質の少ないお酒を選ぶというのも、肌の老化対策の一つです。
ただし、日本酒やワインなどは発酵食品でもあるので、
質の良いものを選ぶことで、肌をきれいにする効果もあります。
適正量を守りつつ、上手なメニュー選びをする知識を身につけると、
我慢せず楽しくキレイを保ち続けられます。

翌朝の二日酔い…何とかできないの?

そもそも、二日酔いの原因はなんでしょうか。

一つは、アルコールが肝臓で分解されたときにでる
アセトアルデヒド」という成分があげられます。
これは、強い毒性を持っていて、肝細胞を損傷させ、
顔面紅潮や動悸、吐き気、眠気、頭痛、二日酔い、肝障害などの
原因になってしまいます。

また、アルコールには利尿作用があり、それによって脱水症状に
なってしまうことがあげられます。

脱水症状として、のどの渇きやだるさ、筋肉の硬直も起こります。

あのイヤな二日酔いにならないようにするためには
どうしたらいいのでしょうか。

当然のことですが、まずは「飲みすぎないこと」です。
人によって肝臓で分解されたときに出るアセトアルデヒドの量、
つまり代謝できる量は違うので、
ご自身のなかで適量を知っておくということが大切です。
また、飲んだ時はアセトアルデヒドの分解に必要な栄養を補いましょう。
「ビタミンC」を多く含む柑橘類や、
「ビタミンB3」、「たんぱく質(アミノ酸)」を含む
かつお出汁や昆布出汁、味噌汁を食べると良いとされています。

また、著アダム・ロジャースの酒の科学によると
アルコールの中に含まれる「コンジナー」と呼ばれる不純物が少ない
お酒を飲むのもよいとされています

この不純物が多いほど、翌朝の二日酔いにつながりやすいといわれています。
コンジナーが少ないのは、ジンやテキーラなどの蒸留酒です。
お酒を造るときに蒸留(一度水蒸気にする)過程で、不純物や糖質が飛んで、
純度の高いアルコールになります。

とはいえ、蒸留酒はアルコール濃度が高いものが多いので、
くれぐれも飲みすぎないように注意が必要です

美容を考えると飲むべきは?

糖分が少ないという点では蒸留酒

お肌の老化のもとになる「糖化」を防ぎ、
ついつい飲みすぎて太ってしまう・・・
ということを避けるのであれば、糖分が少ないものを選ぶのが正解です。
糖質が少ないお酒は、蒸留酒です。ジン、テキーラ、ウイスキーなどは
糖質がほとんど入っていません

ただ、アルコール濃度は高いので、ゆっくりとおいしく飲むには
お水や炭酸水で割る
のがいいでしょう。

ジュースやトニックウォーターで割ると、
結局糖分の摂りすぎになってしまうので、気を付けてくださいね。
ウイスキーだとハイボール、
ジンならジンリッキー、
ウォッカならウォッカリッキー、
ラムならラムリッキー、
テキーラもテキーラハイボール
などにすると、甘いシロップやジュースを使わない、糖質控えめなカクテルを楽しむことができます。

カクテルを注文するとき、蒸留酒に”〇〇”リッキーとつけると、
無糖の炭酸水にライムを絞ったものがでてくるので覚えておくと便利です(笑)

その他のカクテルは、シロップやジュースで大量のお砂糖を使っていたり、
アルコール度数も高いものが多いので、美容の観点からはあまり
お勧めできません。
(甘いお酒が好き!という方にはちょっとツラいかもしれませんが…)

アルコール度が低いという点ではビール

二日酔いを何とか避けたい、ほろ酔い気分で終わりたい、
というときにはビールがおすすめです。

糖質は高くなりますが、ビールは他のお酒と比べてもアルコール度4%
程度のものが多く、
ワインの10%~15%や、
日本酒15%~16%、
蒸留酒や焼酎のの30~40%(高いものだと80%近くのもの)
と比べてもダントツにアルコール濃度が低くなっています。

ワインがちょうどいい

ワインが好きな人は、ワインもいいでしょう。
アルコール度数も蒸留酒よりも低く、一部の甘口デザートワインなどを
除けば、糖質も控えめなお酒です。

さらに、赤ワインは、美容のためのポリフェノールがたっぷり含まれており、
白ワインには整腸作用があるといわれています

楽しく飲むコツ

美容のためにも、健康のためにもお酒を楽しく飲むためには、
楽しく飲むコツ」をつかんでいきましょう。

  • お水と一緒に飲む

    お酒の利尿作用によって失われてしまう水分を補給できるよう、
    お酒と同じくらいのお水を飲みながらお酒を愉しみましょう。
    これによって、飲みすぎ防止も防げます。

  • 量をコントロールする

    ご自身の体調や体質に合わせて、適正量を飲んでいきましょう。
    飲みすぎは二日酔いや肌の乾燥・くすみ、
    肥満の原因になってしまいます。

  • 翌日たんぱく質を摂る

    飲んだ翌朝は、抗酸化ビタミンとたんぱく質を摂りましょう。
    たんぱく質は、肝臓の機能を促進してくれる効果があります。

  • 頻度を減らす

    週に2日以上は休肝日を作りましょう。

お酒は楽しくおいしく飲みたいですが、
美容にとってはあまりよくないことが多いのも事実。
美しく、キレイにいたままお酒を飲む方法として、
できる限り気をつける努力だけでもしていきましょう!


【監修】豊原悠里

管理栄養士/予防医学指導士
大手化粧品会社にてインナービューティーのカウンセリング、トレーナーを経て、精神科クリニックで管理栄養士・代替医療カウンセラーに従事。発達の問題やメンタルケアを中心に予防医学、栄養療法のコラムやセミナー、執筆サポートをてがける。

Bicle(ビクル)では、

  • 医師
  • 管理栄養士
  • 薬学修士
  • スポーツ栄養学の修士
  • 機能性食品や健康美容商品の企画開発・研究者

などの専門性を有するメンバーによって商品の企画・開発、記事の執筆等を行っています。