フルスペクトラムとブロードスペクトラムの違いは?CBD原料ごとの特徴

フルスペクトラムとブロードスペクトラムの違いは?CBD原料ごとの特徴

近年注目が高まっているCBD。そんなCBD製品には製造方法が複数存在しています。今回はCBD製品の製造方法の違いを詳しく説明していきます。

CBD製品にはいつかの製造方法が存在し、製法の違いで摂取したときに現れる効果に違いがあります。製造方法には主に「ブロードスペクトラム」、「フルスペクトラム」、「アイソレート」が存在します。
今回は中でも、ブロードスペクトラムフルスペクトラムについて解説していきます。

フルスペクトラムとは?

フルスペクトラムは日本語で「全範囲」を意味する英語です。
フルスペクトラムCBDは、大麻植物から抽出されるすべての化合物を含んでいます。これにはCBDだけでなく、他のカンナビノイド(THCを含む)、テルペン、フラボノイドなども含まれます。ブロードスペクトラム同様にこれらの成分が相互に作用して効果を高めるアントラージュ効果(後述)があるとされています。

ただ、フルスペクトラムCBD製品に含まれるTHCの量は、ほとんどの場合0.3%以下で、これはほとんどの人が精神活性作用を感じることのないレベルです。
それにも関わらず、このTHCによる微妙な影響が、アントラージュ効果の発現を助
け、全体としてのCBDの効果を高める可能性があるとされています。
しかし、微量とはいえフルスペクトラムCBDはTHCを含むため、現在の日本では違法ということになります。

ブロードスペクトラムとは?

ブロードスペクトラムCBD製品とは、大麻(カンナビス)植物から抽出したCBD(カンナビジオール)製品の一種で、その製品にはCBDを始めとする大麻の成分が多く含まれていますが、THC(テトラヒドロカンナビノール)は含まれていません
大麻には100種類以上のカンナビノイドと呼ばれる成分が含まれています。
その中でもCBDとTHCが最もよく知られており、THCは大麻の主要な心理活性成分で、高揚感や幻覚を引き起こします。
一方、CBDは非心理活性であるという特徴があります。
ブロードスペクトラムは、日本語で「広範囲」を意味する英語です。
そのため、THCを除いたCBDをはじめとした多くの成分が含まれているというのが製品の特徴となります。

具体的には、CBDのほかにもカンナビノイド(例: CBG、CBC、CBN)、テルペン、フラボノイド、アミノ酸、ビタミンなどの大麻植物由来の化合物が含まれています。これらの成分が相互に作用して効果を高めるアントラージュ効果があるとされています。
THCは0.3%未満に制限されており、通常は検出限界以下になっています。
逆に、CBDのみが含まれている製品を「アイソレート」といいます。

アイソレートとは

CBDの「アイソレート」とは英語で分離を意味しており、文字通りCBDのみを分離させたものとなります。つまりCBD以外のカンナビノイドやテルペン、
もちろんTHCも含まれていない純粋なCBDのみのモノです。(一般的なアイソレート製品はCBDを98%含んでいます)

他のカンナビノイドを含まないため、CBD以外の成分に敏感に反応してしまうような体質の方にオススメです。ただ、他のカンナビノイドやテルペンを含まないということはフルスペクトラムやブロードスペクトラムの製品にあるようなアントラージュ効果を得ることはできません。
下記ではそんなアントラージュ効果について解説します。

アントラージュ効果とは?

ブロードスペクトラムCBD製品を利用することにより得られる最も大きな利点(フルスペクトラムもだが日本では違法)はアントラージュ効果にあります。

大麻草(ヘンプ)には、CBD以外にもCBG(カンナビゲロール)、CBN(カンナビノール)などさまざまなカンナビノイドや、テルペン、フラボノイドなどの成分が含まれています。
そして、これらは一緒に使うと相互作用により、それぞれの持つ作用を足し合わせたよりも大きな効果が得られるということがわかっています。
このことをアントラージュ効果と言います。

アントラージュ効果を得るための効果的な摂取方法

アントラージュ効果をより発揮するには「マイクロドージング」という方法がおすすめです。
マイクロドージングは、一度に大量の薬物や製品を摂取するのではなく、非常に少ない量を頻繁に摂取する方法です。
CBDの場合、一度に少量のCBDを摂取することで、持続的な効果を得ることができます。

▼マイクロドージングの進め方

1. マイクロドージングを始める際は、まずは低用量から始めることが推奨されます。一般的には、1日あたりのCBD摂取量を5〜10mgから始め、その後数日間は同じ量を摂取します。その後、効果や個人の体験に基づいて徐々に量を調整していきます。

2.マイクロドージングでは、一日に複数回CBDを摂取することが重要です。
例えば、1日を4回に分けて、各摂取時に1〜2mgのCBDを摂取します。
このように分割することで、CBDが一度にシステムに投与される量を最小限に抑えながら、持続的な効果を得ることができます。

3.マイクロドージングを始めたら、効果を観察しながら徐々に量を調整していきます。自身の体験に基づいて、CBDの摂取量や摂取回数を調整し、最適な効果を得るようにします。効果に変化がない場合は、摂取量を少しずつ増やすことも検討してみてください。

4. CBDの効果や忍容性は個人によって異なるため、他の人の体験に基づく一般的な指針に従うだけでなく、自身の体に合わせて調整することが重要です。初めてCBDを試す場合や新しいマイクロドージングスケジュールを始める場合は、注意深く自身の体の反応を観察し、適切な量を見つけるようにしましょう。

アントラージュ効果に重要な「テルペン」

テルペンは、大麻草やその他の薬草、果物、植物に含まれ、それらに香りや色、味を与えている天然の精油のことをいいます。

テルペンは独特の刺激的な香りが特徴で、植物を昆虫などから守るために進化をしてきました。

アロマの世界などで注目されているように、テルペン自体にも健康効果や治療効果などがあります。
ですがそれに加え、カンナビノイドとの相乗効果が科学的に注目され、アントラージュ効果にとっても重要な存在とされています。

大麻によく含まれるテルペンと効果

ミルセン

大麻草の中でも最も一般的なテルペン。
ミルセンには強力な鎮痛作用を示すものから睡眠補助など、
さまざまな効果があります。

また、細胞目透過性を高め、CBDなどのカンナビノイドの吸収を早めることが知られています。

リモネン

大麻や柑橘系の果物に多く含まれます。

細菌や真菌の増殖を抑制する効果や、うつ病や不安症の症状を緩和させること、また癌治療への可能性も示されています。

ピネン

ピネンは松やモミの機などの針葉樹に多く含まれます。
ピネンは抗炎症作用があり、抗生物質としての効果をもたらすこともあります。また、記憶の強化にも可能性があるとされています。

リナロール

ラベンダーの香りの主成分で、強い鎮静作用や殺菌・鎮痛作用があります。
また、免疫細胞を活性化して免疫系の働きを高めると言われています。

βカリオフィレン

胡椒、バジル、オレガノなどに含まれる、スパイスの効いた香りがするテルペン。
抗酸化作用や抗炎症作用があり、テルペンの中では唯一、CB2受容体に直接作用することがわかっています。

フムレン

ホップや香草に多く含まれるテルペン。
抗炎症作用、抗菌作用、鎮痛作用に加え、食欲を抑制する作用もあるとされており、ダイエットに対する効果も期待できます。

▼成分まとめ

品質には要注意!

表記と内容が異なるものも

海外では、パッケージに表示されている成分と内容が大幅に異なる商品も多数見つかっています。

なかには実際に表記されているCBDが含有されていなかったり、不純物が含まれているなど品質の悪いものもあります。

違法成分「THC」が含まれていないか要注意!

CBDは日本でも合法的に使用することができますが、一方で同じく大麻由来の有効成分である「THC(テトラヒドロカンナビノール)」は違法です。

こうした成分が含まれている商品を手にしないためにも、COA(Confirmation of Analysis)が開示されている商品を選ぶようにしましょう。

COAは第三者による成分検査の証明書で、THCやその他の有害な不純物が含まれていないか、CBDがしっかり含まれているかなどが記載されています。

まとめ

いかがでしょうか?今回はフルスペクトラム製品とブロードスペクトラム製品の違い、それらが持つアントラージュ効果の解説をしました。正しい用法、用量で快適なCBDライフをお楽しみください。

Bicle(ビクル)では、

  • 医師
  • 管理栄養士
  • 薬学修士
  • スポーツ栄養学の修士
  • 機能性食品や健康美容商品の企画開発・研究者

などの専門性を有するメンバーによって商品の企画・開発、記事の執筆等を行っています。