CBD EXPO 2020@ラスベガスの現地レポート

CBD EXPO 2020@ラスベガスの現地レポート

アメリカのフォーブス誌によると、2020年には約1,100億円規模にまで成長するといわれているCBD市場。
2020年2月に行われたラスベガスのCBD EXPOに当社の福田が参加してきましたので、CBDに関する最新情報をレポートします。

なぜCBDが注目を集めるのか

最近では、日本でも名前を聞くようになったCBD(カンナビジオール)
という成分。
CBDは、大麻に含まれる400種類ほどあるとされる薬理成分の1種で、
ヒトのカラダにもさまざまな良い効果をもたらすとされています。
健康や美容、ダイエットだけでなく、近年の臨床研究から、
200以上の疾患にも効果があるのではと大きな期待が集まっています。

 日本の場合、「大麻」と聞くと、ネガティブなイメージが先行して
しまいますが、1990年代以降の研究から、大麻による向精神作用は
THC(テトラヒドロカンナビノール)という成分によるものであると
特定されたことにより、THCが除去されており、また成熟した大麻草
の茎や種から抽出された成分であれば、日本でも取り扱いが可能なため、
CBDが少しずつ日本でも手に入るようになりました。

CBD EXPOはこんなイベント

CBDに関連する商品やサービスを扱う企業約200社ほどが集うイベントで、
事業者と消費者が計1万人ほど参加していました。

今回参加したCBD EXPOの概要

開催期間:2020年2月13日(木)~2月15日(土)
開催地:ラスベガスコンベンションセンター
公式サイト:https://usacbdexpo.com/

イベント開催期間中は、各企業によるブース展示の他、
業界の著名人によるセミナーも開催されていました。
アメリカ国内でも、まだまだCBD商品をスーパーやドラッグストアで
見かけることも少ないため、一度にこれだけ多くの商品を手に取ったり、
その場で試せる機会は他にありません。
試飲させてくれたり、プレゼントをくれるブースも多いので、
参加するだけでも非常に楽しめました!

出展しているCBDブランドの雰囲気

 アメリカの場合は、州ごとの嗜好用大麻の合法化が進んでおり、
また2018年に産業用ヘンプの栽培が連邦法でも合法化されたことで、
急速にCBD商品を扱う事業者が増えました。
そのような背景もあって、CBDオイルやバームだけでなく、さまざまな商品
が急速に増えています。

フィットネス市場向けの製品としてブランディングするIGNITE
オーガニック原料×CBD25mgが摂取でき、味もおいしいWILD CBDのグミ
高級感のあるCBDチョコレート・キャンディー

なかには、「CBD枕」なるものを展開するブランドもありました(笑) 。

皮膚に点在するCB2受容体から、CBDが作用するという理屈なのは
理解できますが、カンナビノイドは保存が難しいとされる成分なので、
実際に効果があるのかは分かりません。
それでもこのCBD枕が、ベストプロダクト賞を取ってしまうあたりが、
アメリカっぽかったです(笑)。

アメリカのCBD商品のトレンド

200社ほどの企業が参加をしていましたが、各ブースでアピールされる商品から、
アメリカ国内のCBD商品の3つのトレンドがあるように感じました。

第三者機関の成分検査や品質管理基準の改善

2016年以降、毎年実施されているFDAの検査でも、
各社がラベルに記載しているCBDの含有量が、実際には含まれていない商品
が一定数見つかっていることが問題になりました。

2016年時点では4割の会社が、記載量から20%以上も乖離していたほどです。

 また大麻草は、地中の良い成分も悪い成分もすべて吸収する力が強いため、
重金属やカビ、殺虫剤など人体に有毒な成分が混入されるリスクもあります。

 そうしたリスクを無くし、また良質な商品を消費者が見分けられるように、
第三者機関による成分検査データを開示することが一般的になりつつあります
またオーガニック栽培やGMPなどの品質の均一化を実現できる工場が増え、
そのような認証マークからも安心できる商品を見極めやすくなってきている
ようです。

吸収率を高める工夫

CBDは摂取方法によっても、体内での利用効率(バイオアベイラビリティ)
が大きく異なりますが、たとえば口からの摂取の場合、
摂取量の6~15%程度しか実際には吸収できないとされています。

仮に1mlあたり、50mgが含まれるCBDオイルを摂取したとしても、
実際には5mg程度かカラダに取り込まれていないとなると、
なんだか勿体無い気になってしまいますよね。

吸収率を10倍に高めているCBD商品を扱うブランド

このようなバイオアベイラビリティの課題に着目して、
CBDの分子サイズを通常よりも小さくしたり、乳化させるなどして、
体内により吸収しやすくしたCBD製品が増えています。

検証の余地がありますが、バイオアベイラビリティを100%にまで
高めているという商品も見受けられ、消費者の理解が進むほど、
こうした商品にも注目が集まりそうです。

他のカンナビノイド成分への注目

大麻に含まれる成分のうち、最も有名なのがTHCとCBDですが、
ではそれ以外のカンナビノイドにも徐々に関心が高まっています。
たとえば、CBG(カンナビゲロ―ル)CBN(カンアビノール)
CBC(カンナビクロメン)CBDA(酸性カンナビジオール)にも
それぞれ免疫抑制作用や抗炎症化作用、鎮痛作用などがあることが
分かってきており、それらを高配合した商品も登場しはじめています。

本来はCBDだけでなく、大麻草に含まれるさまざまなカンナビノイドや
テルペン、フラボノイドを一緒に摂取することでより高い効果
(アントラージュ効果)が得られるとされていることからも各成分ごと、
またそれらを好配合した商品も増えてきそうです。

 今回、一番の人気を集めていたブランドも、Aquqceuticalという独自の
栄養成分の分子ナノ化技術と、得たい効果ごとにさまざまなカンナビノイドの
配合を変えた商品を展開しており、試飲しても個人的にもすぐに体感が
ありました。

日本のCBDはどうなっていく?

今回、アメリカのCBDブランドの商品に触れてみて、改めて日本の商品に比べて
品揃えと価格に大きな差があることを感じました。

日本の場合は、CBDの原料となる大麻草の栽培が(ほぼ)できないため、
どうしても輸入に頼ざるを得ない状況です。

 また日本では大麻取締法によって、抽出部位を制限されていますので、
アメリカで流通している商品のほとんどが、日本の規格はマッチしていません。
日本に輸入するためには、実際には日本向けにCBD原料の抽出方法等も変える
必要があります。
そのため、どうしても輸入コストも販売価格も高騰する傾向にあります。

 ただ、プラスの動きとして、アメリカ国内での大麻の栽培量が増えることにより、
徐々に原料価格を下げやすくなってきていること、またCBD製品の流通に
当たって、第三者機関の分析資料を添付することが当たり前になってきている
こと
は、日本にとっても追い風になっていますので、徐々に日本でも手にできる
安全性の高い商品が増え、また販売価格も下がっていくことが期待できそう
です。

今回のイベントでゲットしてきた商品・サンプル

当社でも日本の規格を満たすことができることを条件に、
いくつかのブランドや製造工場とCBD商品の輸入・自社商品の開発について
現在交渉を進めています。
現在市場に流通しているよりも低価格・高品質の
CBD商品も取り揃えられそうなので、また良いお知らせができればと思います。

Bicle(ビクル)では、

  • 医師
  • 管理栄養士
  • 薬学修士
  • スポーツ栄養学の修士
  • 機能性食品や健康美容商品の企画開発・研究者

などの専門性を有するメンバーによって商品の企画・開発、記事の執筆等を行っています。