目次
アミノ酸とは?
アミノ酸は、アミノ基(-NH2)とカルボキシ基(-COOH)から構成される
有機化合物で、たんぱく質を構成する最小単位の成分です。
たんぱく質は、炭水化物、脂質とともに3大栄養素のひとつであり、
人をはじめとした生物の構成成分となっています。
人間の体は、約60%が水分で、約40%が栄養です。
栄養のなかでもっとも多いのが、たんぱく質で約20%を占めています。
たんぱく質は、筋肉や皮膚、内臓など体のあらゆる組織を作っていますが、
このタンパク質の元となっている成分がアミノ酸です。
アミノ酸の種類
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アミノ酸は数百種類以上ありますが、そのうち体のたんぱく質を構成している
アミノ酸は20種類です。
この20種類のうち、人の体内で合成できないアミノ酸を「必須アミノ酸」
といい、体内で合成が可能なアミノ酸を「非必須アミノ酸」といいます。
必須アミノ酸(9種類)は、一つでも欠けると体のたんぱく質をつくることが
できなくなります。
体で合成することができないため、食品やサプリメントから摂ることが
必要不可欠となります。
<必須アミノ酸>
ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、スレオニン(トレオニン)、トリプトファン、バリン
<非必須アミノ酸>
アスパラギン、アスパラギン酸、アラニン、アルギニン、グリシン、グルタミン、グルタミン酸、システイン、セリン、チロシン、プロリン
子どもの成長に必須なアミノ酸
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発達の著しい子どもにとって、とくに重要な栄養素とされるのが「たんぱく質」です。
体の臓器・骨・皮膚・爪・髪の毛、これらはすべてたんぱく質で構成されます。
さらに、筋肉はもちろんのこと、運動をするときのエネルギー源にも使われます。
必須アミノ酸には、ロイシン、バリン、イソロイシン、リジン、メチオニン、
フェニルアラニン、スレオニン、トリプトファン、ヒスチジンの
9種類がありますが、成長期の子どもの場合はアルギニンを加えた10種類が
必須アミノ酸といわれています。
アルギニンは成長ホルモンや血糖値に関わるインスリンやグルカゴンの
分泌促進に関与しているアミノ酸で、成長期の子どもはアルギニンを大人以上に
食事から摂取する必要があります。
アルギニン含量の高い食品としては赤身肉、卵、乳製品や大豆製品などが
あります。
また、成長促進や免疫力向上作用がある必須アミノ酸のリジンも、
子どもの成長に欠かせない大切なアミノ酸で、大人以上に摂取が必要です。
子どもの成長をサポートする栄養素
成長期の子どもにとって、体をつくるためには日々の食事での
栄養バランスが大切です。
また子どもの頃に培った食習慣は、大人になってからの食生活の土台となり、
健康な身体だけでなく、心も育みます。
実際、東京都の中学生を対象に、朝食欠食や栄養バランスの平均点を
5段階基準にし、生徒の心因的不調を調査したところ、
食生活平均点が低い生徒は、「めまい」や「ぼんやりする」と言った
不調を訴えることが多く、また、「いじめ」や「すぐカッとする」といった
結果でています。
※参考:東京都学校保健給食大会(1998)中学生 子どもの心の健康と食生活
そこで、成長期の子どもをサポートする栄養をご紹介します。
たんぱく質
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子どもは成長するにつれて、必要となるたんぱく質の量がどんどん
増えていきます。
大人が1日に必要とするたんぱく質の推奨量は成人男性で60g、
成人女性で50gですが、小学生では約30~50g、思春期になると約55~65gの
たんぱく質が必要といわれています。
(※日本人の食事摂取基準2020年度版)
つまり、体格・体重から比較すると成長期の子どもは大人に比べ、
より多くのたんぱく質を必要とします。
必須アミノ酸を過不足なく補うには、アミノ酸バランスに優れた肉や魚、卵、
大豆製品といった「良質のたんぱく質」を摂る必要があります。
たんぱく質の食材は、それぞれ違うバランスのアミノ酸の種類を持っています。
食品の種類によってアミノ酸のバランスが異なるので、卵、乳製品、
魚、豆・豆製品、肉といったいろいろな食材を組み合わせることが重要です。
良質な油
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オメガ3系脂肪酸と呼ばれ、体の中で作り出すことが難しいため食事から
摂取するしかない体内ではほとんど作られない必須脂肪酸です。
まぐろやかつおなど青魚の脂肪に豊富に含まれている脂肪酸で、
脳や目の発育をサポートします。
※EPAは必要に応じて体内でDHAに変換されます。
逆に現代人が特に過剰に摂りすぎているのが、
リノール酸(オメガ6脂肪酸)です。
加工食品に多く含まれ、日常的な食生活ではどうしても摂りすぎの傾向に
あります。
過剰摂取は、炎症を促進し、アトピーやアレルギーを誘発し、
炎症を悪化させてしまいます。
※リノール酸は、加工食品の他、市販のサラダ油や大豆油、
コーン油に含まれます。
また、市販のお菓子やパンに含まれるトランス脂肪酸は、アレルギー、
動脈硬化、心臓病のリスクが高まると言われるばかりでなく、
脳内ホルモンのバランスを乱し、脳の発達に悪影響を及ぼします。
さらに月経前後の不調、月経リズムの乱れにもつながりますので、
マーガリンやショートニングを含む食品の摂取は、できるだけ控えましょう。
ビタミン
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体内で代謝が正常に機能するための働きに関与しています。
ほとんどのビタミン類が体内で生合成できません。
とくにビタミンB群は、糖質・脂質・たんぱく質をからだに必要なエネルギーに
変えるときに必要な栄養です。
また、ビタミンDやビタミンKは骨の形成をサポートし、ビタミンCは鉄の吸収に欠かせません。
ミネラル
ミネラルはビタミンと同じように体内で代謝が正常に機能するための働き
に関与し、体内の生命活動、生命維持に働きます。
骨の成長にはカルシウムを摂ることが重要ですが、
カルシウムの吸収にはマグネシウムも必要です。
カルシウム2:マグネシウム1の割合で摂取したときが
最も吸収がよいので、このバランスで摂れるようにしましょう。
また、ミネラルは、互いに吸収や働きに影響をあたえ合うことがあるため、
極端に一種類のミネラルを摂ることはせずに、バランスよく摂りましょう。
また、塩や鉱物由来の無機質よりも、アミノ酸などに結合した有機ミネラルの
形が、吸収率に優れ、体内で利用されやすいことがわかっています。
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例えば、いりこやかつお、煮干しから出汁をとった味噌汁、
海藻類やごま、雑穀を日頃から食事で取り入れるとしっかりと
ミネラルを摂ることができ、おすすめです。
また、鉄分は朝食時間、カルシウムは夕食時間が、もっとも体内利用率が高いため、「3食バランス良く」と言われるのは、この理由からでもあります。
子どもが成長するうえで、毎日の食事や栄養を摂ることも大事ですが、
家族で食卓を囲むことで、コミュニケーションをとり、食べる楽しさを感じ、
学ぶのも成長にとって大切な要素です。
育ち盛りの子どもにとっては、食事を通して培われるものは、
健康な身体だけでなく、感性豊かな心も育まれます。
心をつくる脳は、五感の刺激があってこそ活性化します。
子どもたちといっしょに、食べることの大切さや楽しさについて
考えてみるのも良いでしょう。
【監修】豊原悠里
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管理栄養士/予防医学指導士
大手化粧品会社にてインナービューティーのカウンセリング、トレーナーを経て、精神科クリニックで管理栄養士・代替医療カウンセラーに従事。発達の問題やメンタルケアを中心に予防医学、栄養療法のコラムやセミナー、執筆サポートをてがける。