いつも飲んでいる牛乳・乳製品は大丈夫?【牛乳のリスク】

いつも飲んでいる牛乳・乳製品は大丈夫?【牛乳のリスク】

健康や発育のために栄養豊富で健康にいいと言われている『牛乳』。
ですが、実はその裏には私たちの健康を脅かすリスクが潜んでいるということをご存じでしたか?
今回は牛乳のリスクと選び方のポイントについてお伝えしていきます。

日本の食生活に欠かせなくなった牛乳

子供の頃、学校の給食で毎日のように目にしていたものといえば、
「牛乳」ですよね。
牛乳は『成長期に必要な食品』として、カルシウムだけではなく
タンパク質を摂取できる食品として、いまもなお毎日給食で提供されています。
その背景には戦後の栄養失調により

『児童・生徒の体位の向上』
『アメリカ人のようになるにはカルシウムが必要、日本の子どもに牛乳を』

といった国策が絡んでいるといわれています。

毎日何気なく飲んでいた牛乳ですが、最近では一部の健康志向の間で、
“牛乳とガンの関係性”や”牛乳を飲んでいるのに骨粗しょう症が増えている”
などと言われるようになり、様々な書籍なども発売され牛乳への認識が
徐々に変わりつつあります。

意外と知らない搾乳の現状

乳牛は、本来放牧されて自然の牧草を食べているのが理想的です。
しかし、現実には大量生産のために狭い牛舎に閉じ込められ、
小麦やトウモロコシなどを中心にエサが与えられます。

そのエサは、遺伝子組み換えされた外国の穀物が主流となっています。


現代の酪農では、生後12~14カ月の雌牛を人工授精で妊娠させ、
平均280日妊娠期間を経て出産すると、母牛はミルクを分泌するようになります。

母牛は出産6日後から人間用に300日間(約10か月)搾乳されるのですが、
出産後2~3ヶ月経つと搾乳中にも関わらず再び人工授精で妊娠させます。
そのため、搾乳期間が妊娠期間と重なり
1年(365日)のほとんどの期間で人間用の牛乳を搾乳されていることに!

さらに、遺伝的に改変された乳牛(ホルスタイン)は牛乳を取るために育てられていて、
妊娠中にも関わらず大量のミルクを分泌し、ただひたすら人間用にミルクを出しています。

牛乳はがんのリスクを高める?

近年、食生活や生活習慣の欧米化に伴い増加している「がん」

なかでも「大腸がん」「乳がん」「前立腺がん」などは
急速に増加している「がん」の代表格です。

実はそれらのがんの原因の一つとして、乳製品に過剰摂取に
ともなう発がんリスクが問題視されています。

成長促進作用があるIGF-1

成長因子IGF-1は、子どもの身体成長に必要なインスリンに
よく似た構造を持つ成長ホルモンの一種。

牛乳に成長促進作用があるのは、牛乳の飲用によって
細胞分裂を刺激するIGF-1が血液中に増えるから、といわれています。


成長ホルモンそのものはヒトとウシで異なりますが、
その刺激によって産生されるIGF-1は、ヒトとウシで同一なので、
乳・乳製品の摂取は、成長促進作用を示すことが分かっています。

この作用により、成長期への栄養補給として推奨されていますが、
その反面、がん細胞も分裂増殖させることが分かってきています。

本来は自然に発生するIGF-1ですが、人工的に牛を早く大きく育てるための成長ホルモン剤投与によって、悪影響まで受けてしまう可能性があります。

女性ホルモン

30代~40代の女性に発生する乳がんの端緒は、
乳腺細胞が急速に分裂・増殖する思春期にあり、
この時期に摂取した乳・乳製品が乳がん(の芽)
の発生を促すといわれています。

その原因のひとつとされているのが「女性ホルモン」
女性ホルモンの分泌時期が長くなると、
乳腺細胞の分裂・増殖を刺激する期間も長くなり、
乳がんのリスクを高めると言われています。


現代の牛乳は前述のように妊娠中の牛から搾られますが、
ミルクは血液から作られるため、妊娠中の乳牛から搾乳された
ミルクには女性ホルモンが多量に含まれます。


そのため、思春期の牛乳・乳製品の過剰摂取は、
本来の分泌量以上の女性ホルモンを体外から入れることになり、
乳がんリスクを高めると言われているのです。


さらにホルモンは、たんぱく質と脂質をもとにつくられます。
乳製品の中でもクリームやバターは、脂溶性のホルモンが
さらに高濃度で存在するともいわれているので要注意です!

牛乳・乳製品の選び方のポイント

市販品の牛乳は、大量生産・安価であるが故の実態がお分かりいただけたかと思います。
タンパク質や栄養価が高いといわれている牛乳ですが、
「毎日必ずコップ1杯摂取する」というよりも、
ご自身の体質や製品の品質を考慮して嗜好品程度に摂取するのが望ましいですね。



そこで、牛乳の選びの際ポイントをお伝えします。
選ぶ際の参考にしてみてください。


≪牛乳を選ぶ際のポイント≫

  • 成長促進のためのホルモン剤が不使用であること
  • 予防を目的とした抗生物質の使用がないこと
  • 飼料に遺伝子組み換え作物を使用していないこと
  • グラスフェッドを食べている牛のミルクであること
  • 放し飼いでストレスフリーの環境で育てられていること

グラスフェッドの牛乳や乳製品は高価で特定の地域やお店でしか
購入できないので、実際には、なかなか手に入れるハードルが高いかもしれません。

牛乳の替わりに、豆乳やアーモンドミルクを摂っていただくのもおすすめです。
最近ではスーパーやコンビニでも手軽に手に入るようになりました。
プロテインやカフェラテを飲むときに混ぜてみるところから始めてみてはいかがでしょうか。


【監修】豊原悠里

管理栄養士/予防医学指導士
大手化粧品会社にてインナービューティーのカウンセリング、トレーナーを経て、精神科クリニックで管理栄養士・代替医療カウンセラーに従事。発達の問題やメンタルケアを中心に予防医学、栄養療法のコラムやセミナー、執筆サポートをてがける。

Bicle(ビクル)では、

  • 医師
  • 管理栄養士
  • 薬学修士
  • スポーツ栄養学の修士
  • 機能性食品や健康美容商品の企画開発・研究者

などの専門性を有するメンバーによって商品の企画・開発、記事の執筆等を行っています。