合成CBDは安全?普通のCBDと何が違うのか

合成CBDは安全?普通のCBDと何が違うのか

CBDは、「カンナビノイド」と呼ばれる有効成分の1つで、本来は大麻草から抽出されます。
一方で、その分子構造を模して化学的につくられた「合成CBD」も存在するのです。
近年ではこの「合成CBD」を使用したCBDオイルなども販売されていますが、一体「天然のCBD」とは何が違うのでしょうか?

合成カンナビノイドとは?

植物性カンナビノイドと合成カンナビノイド

一般的に、「植物性カンナビノイド」とはヘンプに含まれる生理活性物質のことをいいます。

CBDやTHCもこの「カンナビノイド」の一種。
カンナビノイドは100種類以上も存在し、これらの他にもCBG、CBN、CBCなどマイナーなものもあります。

一方で「合成カンナビノイド」は、植物性のカンナビノイドの分子構造を模倣して化学的につくられたカンナビノイドのこと。
植物性カンナビノイドと同様に、CB1、CB2受容体に作用することにより心身に様々な影響をもたらします。

合成カンナビノイドは、1964年にTHCの構造式が解明されたことから、試薬や医薬品として次々とつくられるようになりました。天然のカンナビノイドと比べて抽出コストが安価なため大量生産が可能ですが、ただ合成カンナビノイドは玉石混交が現状となっており現在も安全性が疑問視されています。

合成カンナビノイドを使用した医薬品

なかには合成カンナビノイドからつくられた医薬品も存在し、

・マリノール
・セサミット

はFDA(アメリカ食品医薬局)が許可した数少ない事例です。
これらは一部の国で、癌治療にともなう制吐剤、鎮痛剤などとして使用されます。

特にマリノールは、大麻草が医療用に使われるのを防ぐために開発された合成THCで、化学的には植物性のTHCと同じであるにも関わらず法律的には別のものとして扱われているのです。

合成カンナビノイドは指定薬物!?

こうして植物性カンナビノイドをもとにつくられた合成カンナビノイドですが、その効果は実際の植物性カンナビノイドとは異なります。

合成カンナビノイドは、植物性カンナビノイドよりカンナビノイド受容体に強く作用し、ものによっては何十倍も高い効力を示すため、結果健康被害や命の危険を脅かす場合もあります。

合成カンナビノイドの販売は過去に社会問題にもなり、類似する722物質が「指定薬物」として禁止されているというのが現状です。

合成CBDの安全性

そして、カンナビノイドの一種であるCBDも、合成のものがつくられています。

植物性のCBDは、大きな副作用や依存性がなく安全性が認められている一方で、合成CBDの安全性については懐疑的な声も少なくありません。

人体は合成CBDを正常に代謝できない?

過去には、植物性CBDと合成CBDを22週間摂取させた場合の変化を分析した研究があります。

この研究では、合成CBDを摂取したグループのみが、肝臓の細胞でつくられる酵素である「ALT」と「AST」が危険なレベルまで上昇したという結果が示されました。
この結果から、人体が合成CBDを異化することができないことが結論付けられています。

合成CBDによる健康被害のケースも

海外では、合成CBDを使用したCBD製品の使用により健康被害を受けたというケースも少なくありません。

なかには、発作、意識消失、幻覚などで入院を余儀なくされた人も。

日本でも合成CBDを合法的に使用することが可能ですが、健康面でのリスクは0ではないということも踏まえ、どういったCBD製品を使用するのかを検討する必要がありそうです。

CBD以外の合成カンナビノイドも

最近では合成CBDだけでなく、THC系の合成カンナビノイドも流通しています。

つまり、日本では違法とされているTHCと似たような効果を持つ(向精神性を持つ)成分も合成カンナビノイドが流通しています。これらはTHCとは化学式が似ていますが、異なるため違法ではないです。しかしそれらの成分も次々と指定薬物に追加され違法となっているのが現状です。これらの合成カンナビノイドも品質や健康被害が指摘されており、使用には一定のリスクを伴います。

参考

Bicle(ビクル)では、

  • 医師
  • 管理栄養士
  • 薬学修士
  • スポーツ栄養学の修士
  • 機能性食品や健康美容商品の企画開発・研究者

などの専門性を有するメンバーによって商品の企画・開発、記事の執筆等を行っています。