年代によって変わる、女性の食事と栄養を見直そう

年代によって変わる、女性の食事と栄養を見直そう

20代、30代、40代と女性のライフスタイルは急激に変化し、また、趣味嗜好も変わっていきます。それぞれの年代別に食事やサプリメントで気を付けていきたい点をまとめました。

年代別やライフスタイルで食事内容を考える

年代によってさまざまなライフスタイルを送っている女性たち。
陥りやすい食生活と、改善ポイントを年代別にまとめてご紹介します。
これを読めば、周りに差をつける美人力が手に入るかも!

仕事も遊びも忙しく、糖質まみれになりがちな20代

20代は、キャンパスライフを楽しんだり、社会人となると付き合いも増えて、
何かと平日から外食も多くなります。
プライベートでは、SNSで話題のスイーツとともに甘~いラテを
楽しむカフェをめぐり、仕事中は雑務も多くてランチもディナーも
コンビニで菓子パンになりがち…

それでも若いので、疲れを感じたり急激に太ることは
あまりないのが20代のカラダ。
ただし…それが1年、2年と続くと、
季節の変わり目で風邪をひきやすくなったり、
生理前後のイライラや不調が現れてきたり…
20代後半から徐々に体のSOSがでてきますよ。

圧倒的に糖質量が多く、栄養バランスの偏った食事になりがちです。
まさに、カロリーだけは人一倍、中身の栄養は空っぽの
「エンプティカロリー」です!

そんな20代は、まずは少しずつ時間を作って、
自炊を増やしていくというのが大切です。
将来、出産をすこしでも考えるなら尚更です。
妊娠のための体づくりは、少なくとも3年の体質改善が理想と
言われていますから、早くから整えられることに越したことはありません。

それでもなかなか補いきれない偏った食生活には、
基本的なマルチビタミン&ミネラルなどをサプリメントで補っていくと、
全体的に偏りがちな栄養素がバランスよく摂取できるのでおすすめです。

特に、糖質を多くとっているため、糖質の代謝を助けるビタミンB1やB3が
たくさん使われてしまい、足りなくなっている人が多いとされています。
この2つが不足すると、極度の疲労や眠気、夜の覚醒、心の不調が出やすい
体質になっていきやすいのです。

また、その他のビタミンB群もたんぱく質や脂質の代謝を促す働きを
持っているので、ビタミンB群が不足すると、きちんと代謝がされません。
せっかく摂ったたんぱく質や脂質がエネルギーに変換されず、疲れやすくなる、
イライラしやすくなる、太りやすい体質になる、
ニキビや口内炎の原因になるなど、
様々なカラダの不調につながってしまいます。

ビタミンB群は豚肉や鶏レバー、ウナギ、ナッツ類、納豆、玄米や雑穀などに
含まれています。
たんぱく質と合わせてとれる食材でもあるので、
積極的に摂っていくようにしましょう。
ただし、ビタミンB群は熱に弱いものがほとんどです。
加熱調理で栄養価は半減していますので、
食事だけでは難しい人がほとんどとも言われています。

ビタミンB群以外にも、ビタミンCやEをはじめとしたカラダの調子を
整えるビタミンや、鉄分などのミネラルも、
偏りがちな食生活では不足することも多いので、
バランスよく入ったマルチビタミン&ミネラルが摂りやすくておすすめです。

また、炭水化物が多い一方で、ダイエットを気にして
良質な脂までカットしてしまう女性も多くいます。
これでは、余計に代謝がうまく回らず筋肉量が落ち、太りやすいカラダに。
それだけではなく、栄養バランスが悪いとシミやシワなど老化も
早まってしまう可能性もあります。
食事は、意識的に自炊するようにしていき、良質な脂
(オリーブオイルや亜麻仁油など)は摂ってあげましょう。

自分磨きのはずが偏食に…30代に摂ってほしい栄養素

仕事も落ち着いてきて、無駄な飲み会も減ってきた。
自分らしく過ごせる時間も増えてくる年代ですが、結婚や出産、
昇進などでライフスタイルも大きく変わる節目の年代でもあります。
食生生活は20代と比べて意識高く気を付けられるようになりますが、
「太りやすくなってきた!」という意識から、
あんなに好きだった甘いものは避けるようになり、
食事は低糖質な方向に偏りがちです。

確かに20代よりは糖質を控えて正解ですが、
とはいえ糖質もカラダに必要な栄養素です。

また、メニューがルーティン化してしまうことで栄養の偏りが起こったり、
低糖質を続けていると腸内細菌叢のバランスも崩してしまいます。
妊活中の方は、妊娠に必要な栄養素や、
糖質を摂ることによって体内で生成されるインスリンの不足も
懸念されるところです。

低糖質を意識しすぎて食事が楽しめてない!という女性には、
まず糖質も含めてバランスよく栄養を摂り、食事を楽しむことをお勧めします。

また、結婚、妊娠、出産などの家庭でのライフイベントや、
昇進・昇格などの仕事での環境の変化もあって、イライラしがちになることも。
気分を安定させてくれるセロトニンを作り出すのもたんぱく質に含まれる
アミノ酸です。
食事の栄養不足を解消することで、気分よく毎日を過ごしていきましょう。

また、妊娠を望む女性は特に、無理な食事制限は禁物です。
糖質、たんぱく質もしっかりとり、カラダの代謝を助けるビタミンB群の
中でも、神経や血液細胞を健康に保ち、DNAの生成を助けるB12や、
血を作るのに不可欠な葉酸を意識して摂っていくためにも、
肉、魚、卵などをしっかりと食べていくようにしましょう。
また、肉や魚などのたんぱく質をしっかり摂る一方で、
白米などの糖質を避け、低糖質を続けていると、
どうしても腸内環境が悪くなってしまいがちです。
味噌やヨーグルト、漬物類などの発酵食品も意識して食事に
取り入れるのがおすすめです。

気を付けているのに、太ってしまう。老いの兆しも気になり始める40代

30代後半~40台にかけて、女性のカラダは大きく変わります。
医学的には、カラダの老化物質や炎症を抑えてくれる抗酸化の力が弱まり、
またホルモンの分泌や代謝の量も急激に下がってしまうため、
これまでと同じように過ごしていると、疲れがたまってしまったり、
太ってしまったりしてしまいます。

意識の高い人であればあるほど、
「甘いものも、食事量も減らしているのに何で?」
という気持ちになりますが、それでも太ってしまいます。

「こんなはずじゃない!」という気持ちからか、
脂肪分やカロリーを気にしてお肉を避け、
調理や片付けが面倒という理由でお魚も避けがちな方が多くいますが、
そんな食生活では、たんぱく質が足りなくなってしまいます。

代謝も落ちて太りやすくなったからと言って、食事の量を制限すると、
たんぱく質が不足しがちです。
キレイな肌や髪、安定したココロを作るのもたんぱく質なので、
脂質が気になるときは赤身のお肉や魚を選ぶようにしながらたんぱく質は
しっかりと摂るように意識しましょう。

また、どうしても冷えや乾燥が気になってきてしまう年代です。
これが続くと、肌のくすみやシワにもつながります。
冷えや乾燥は、いずれも筋肉量が増えると改善されるので、
運動の習慣と合わせてたんぱく質を摂ることが重要です。

合わせて摂りたい栄養素は、毛細血管の血流の改善につながるショウガに
含まれるショウガオールなどの成分を摂っていくことがおすすめです。
また、体の中で発生した老化物質を除去してくれる働きをするビタミンC、
ビタミンA、ビタミンEも積極的に摂っていきましょう。
これらは余分な分は排泄されてしまうので、
毎日一定の量摂っていくことが大切です。
新鮮な野菜や果物を摂るように心がけていきましょう。

カラダの内側からキレイになるという考え方

年齢を重ねていくごとに、体の不調や老いはどうしても避けられない問題です。
太りやすくなってしまうのも、そんな老化現象の一部。
仕方ないと言ってはそれまでですが、少しでも若々しく健康なカラダを
保つという意識は持っていたいですよね。

ヒトの若返りを研究する抗加齢医学の中では、
「若返ることはできないが、老化を遅らせることはできる」と言われています。

つまり、今の年齢よりも若くなるための施術や工夫は、医学的にはなく、
「今の年齢のままキープする」もしくは「老化を遅らせる」ことは理論上
できるということです。

あなたにとって「今日」が一番若い日です。

年齢を重ねた時に気になってくるお肌のシミ、シワ、乾燥、髪のトラブル、
太ってしまうことなどの老化現象には、今日から手立てを打っていく必要があります。

人間は食事によってカラダのすべての細胞にとっての栄養摂取をしています。
今から10年後20年後の自分のカラダのために、カラダに必要な栄養を摂り、
おいしく食事をするというのが、
カラダの内側からキレイになるという考え方です。

年齢やライフスタイルに合わせた食事を

女性は年齢や、ライフスタイルによってカラダやココロに大きく変化が出ます。
毎日気持ちよく過ごしていくためにも、ご自身の年齢やライフスタイルに
合わせて、必要な栄養素がしっかりと摂れるようにバランスの良い食事を
摂っていきたいですね。


【監修】豊原悠里

管理栄養士/予防医学指導士
大手化粧品会社にてインナービューティーのカウンセリング、トレーナーを経て、精神科クリニックで管理栄養士・代替医療カウンセラーに従事。発達の問題やメンタルケアを中心に予防医学、栄養療法のコラムやセミナー、執筆サポートをてがける。

Bicle(ビクル)では、

  • 医師
  • 管理栄養士
  • 薬学修士
  • スポーツ栄養学の修士
  • 機能性食品や健康美容商品の企画開発・研究者

などの専門性を有するメンバーによって商品の企画・開発、記事の執筆等を行っています。